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  • 執筆者の写真三尾

10月庚申幸座

幸座の日は、夏から一気に冬になったぐらい寒い日になりました。


台風も来ているから心配していましたが、幸座を開くことができました。


先月、お友達が己書を習いたいと言っているという嬉しいお話がありました。


今月はそのお二人が体験に来られました。


初めてやることは、緊張もするし、一生懸命になります。


己書は(己書でなくてもですが)お題を見ながら描くとき、すごく集中します。


体験に見えたMさんは、「ありがとう」を何回か練習し清書したら「もう集中力がきれました」と思いっきり告白されました。


そんなことを言われた時だったか、お友達に己書を紹介してくれたHさんが面白いことを言ってくれました。


絵も字も描くのが大変なんだけれど、大変だと言いながらやめずに来るんだよねと話してくれました。


なんか、意味が分かる気がします。


書道と違って、お手本通りに書かなければならないわけではありません。


朱色で先生の直しもありません。


そういう意味で自由な書です。


ですが、お手本を見つめ、筆を運びます。


そこは書道と一緒で、お手本と向き合います。


すごい集中力で、その集中力から生まれた作品はわが子のような可愛さです。


わが子のような作品なのに人と比較すると(しないでとお願いするけれど)、どうしても上手く描けなかったところが目に付きます。


ところが、家に帰って一人で作品を見返すと、いい出来栄えに見えてきます。


不思議なことが起こるものです。


私が習った先生の口ぐせは、「冷蔵庫で寝かせると、いい作品に見えるから」とよく言っています。


「冷蔵庫で寝かせる」という意味は、家に帰ってからだと他人の作品と比べられず、自分だけの作品を見返すので、それなりにいい感じの作品に見えるということです。


自分の作品を受け入れ、また己書を頑張ろうと思えます。


そして、もっと嬉しい瞬間があります。


人がほめてくれます。


自分では、「もうちょっと、この辺が上手く描きたかった」と思っていても、人から見ると「いいんじゃない!」とほめてもらえます。


私が続けられたのも、こんな繰り返しで1年たち2年たちと過ぎていきました。


体験してくれたお二人も続けてみたいということなので、庚申幸座がにぎやかになって嬉しいです。


来月もよろしくお願いします。













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